和氣 美枝
ワーク&ケアバランス研究所 代表取締役
和氣 美枝
ワキ ミエ
経歴
1971年埼玉県生まれ。一般社団法人介護離職防止対策促進機構(KABS)代表理事、株式会社ワーク&ケアバランス研究所代表取締役。レビー小体型認知症のある母親(80代)と暮らす、現役の働く介護者でもある。「介護と言えば地域包括支援センター」を合言葉にした、わかりやすい企業セミナー、介護者に寄り添う介護相談で定評がある。一方、「介護離職防止対策アドバイザー」の養成、関係省庁や経済団体と議論を重ねるなど、「介護をしながら働くことが当たり前の社会」を作るための活動を最前線で取り組む。
実績
財務省東海財務局、農林水産省、神奈川県産業労働局、東京しごと財団、港区男女共同参画センター、国立研究開発法人物質・材料研究機構、国立研究開発法人理化学研究所、東京都労働センター、株式会社ニチレイ、一般社団法人共同通信、NTTフィールドテクノ、アフラック株式会社、NTT株式会社、住友林業株式会社、株式会社レオパレス21
1. 現在のお仕事や活動について
はじめまして。株式会社ワーク&ケアバランス研究所の和氣美枝と申します。現在は「仕事と介護の両立支援」「介護離職防止」をテーマに、企業や団体に向けてサービスを提供しています。研修の実施だけでなく、個別相談への対応、支援ツールの作成、制度導入に向けたコンサルテーションまで、総合的な支援を行っています。
2. 提供している研修内容について
研修は「仕事と介護の両立」を軸にしながら、対象者ごとに内容を変えています。経営者や人事向けには、なぜ会社として取り組む必要があるのか、どのような制度設計が必要かといった根本的な部分からお伝えしています。一般従業員向けには基礎知識を、管理職向けには部下に介護が発生した際の対応方法や事業主の義務などを、実務に即してお伝えしています。
3. どのような企業から相談が多いか
ご依頼いただく業種・業態は非常に幅広く、特定の業界に偏っているわけではありません。活動を始めて10年になりますが、当初はこの分野に取り組む企業自体が少なかったこともあり、さまざまな現場に関わってきました。その中でも比較的多いのは、1,000人以上の規模を持つ企業です。将来の大きな課題に備え、リスク管理やダイバーシティ経営の観点から取り組もうとする企業が増えていると感じています。
4. 企業で仕事と介護の両立支援を進める上での課題感
2024年の育児・介護休業法改正により、2025年4月から事業主の義務が始まっていますが、そのこと自体をまだ十分に知らない企業も少なくありません。目の前に介護中の従業員がいないと課題として認識されにくく、対応が後回しになってしまう傾向があります。しかし、介護は突然起こるものであり、気づいた時には重要な人材が離職していたという事態にもつながります。まずは経営者や人事担当者が、この課題を自分ごととして学ぶことが重要だと考えています。
5. この事業を始めたきっかけ
当社ではもともと、介護者支援、いわゆるケアラー支援を事業として行ってきました。その一環として、企業に対して「介護離職ゼロ」「仕事と介護の両立支援」を提供しています。私自身、母の介護を20年間経験しており、当時は何が分からないのかすら分からない状態で大変苦労しました。その経験から、知っていれば使える情報を必要な人に届けることの大切さを痛感し、まずは研修事業からスタートしました。
6. この取り組みを通じて目指していること
最終的に目指しているのは、ケアラーが自分の人生を諦めなくてよい社会をつくることです。仕事と介護の両立に直面した時に、「辞めるしかない」と思い込まず、別の選択肢があることを知ってほしいと考えています。その手前の支援として企業に両立支援を導入することで、労働力不足の解消や離職防止、さらには採用時の企業価値向上にもつなげていきたいと思っています。
7. 研修プログラムの特徴やこだわり
当社の研修でよく言っていただけるのは、「とても分かりやすい」という点です。専門用語が必要な場面でも、できる限り難しい言葉を使わず、受講者の目線で伝えることを大切にしています。単に知識を伝えるだけでなく、受講後に「地域包括支援センターを調べてみた」「親と話し合ってみた」といった具体的な行動変容が起こることを重視して、プログラムを設計しています。
8. 今後の活動とメッセージ
ワーク&ケアバランス研究所は、会社を大きくすること自体を目的にはしていません。ケアラー支援を社会に広め、将来的には「ケアラー支援基本法」のような仕組みづくりにも関わっていきたいと考えています。今後ますます家族の介護に直面する人は増えていきますので、特に中小企業の経営者には早めに課題意識を持っていただきたいです。公開講座なども予定していますので、ぜひ一度足を運んでいただければと思います。



